くじそらっ!

クジラは時々、ソラを泳ぐ――A human looks up into the sky.

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天敵 

 数日前から実家住まいになった。いろいろ外でやるのも面倒になったので帰ってきたのだが、そもそもどうして、家を出たのか忘れてしまっていた。それを実家に住まいだしてからようやく思い出した。ボクは基本的に誰からも、家族からでさえも干渉されるのが嫌でたまらない人間だ。しかし今もボクの自室で母親が勝手に何やらゴソゴソとやっている。
 母親、それからその母親の祖母は端的に言えば想像力に欠ける人物だ。次に何が起こるかわからないし、影響力を考えることがない。さらに他人の心情の機微にも無頓着。いくら歳をとっても子供のような人だ。
 そんな人間と同じ空気を吸うのは辛く、高校に通って一年半の時、我慢の限界となり家を飛び出した。
 ボクは全く器用な人間ではない。どんな人とも付き合っていけるほどの器量があればいいのだが、個人の領域を土足で踏み荒らしていても、それに気付かない母親のようなタイプの人間とは勘弁して欲しい。そんな母親を見ていたからか、ボクは人に近づく距離を気にする人間になってしまったのかもしれない。さらに不器用になっていってしまった。情けないが、適応能力のない人間である。もっとまともに対処できるように成長すればいいのに最初に逃げることを選んでしまっている。
 今も逃げたくて仕方がない。肉親でなければこれ以上関わりを持ちたくないタイプの人であるのは間違いない。早くもっと大きな人間に成長したいものだ。
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